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ご相談事例
夫の愛人に慰謝料請求したいが夫が肩代わりしそうで悩んでいます

2023/09/20更新

女性・ 20歳代以下

・子供有り

・結婚歴6~10年
夫の不倫問題で悩んでいる20代女性です。子どもは6歳の男の子と4歳の女の子のふたりです。二人目の子どもが生まれてからというもの、夫が家に帰ってくる時間が日に日に遅くなっていき、ついに無断外泊が目立つようになりました。聞けば仕事だと言われましたが、夫は日付が変わるまでの残業や、出張などはない職業に就いているのでおかしいと思い専門の方にお願いして調べていただきました。すると職場の同僚と不倫していることがわかりました。
その結果を受けて、こちらとしては離婚をしたいと考えています。もちろん夫には養育費と慰謝料を請求するつもりです。また、二人の子どもの親権は絶対に私が取りたいです。それに加えて、愛人にも慰謝料を請求したいと考えています。その旨を伝えると夫は、その愛人に請求した分の慰謝料も自分が肩代わりするから別にいいと言いました。
私としてはそんな肩代わりをする余裕があるのなら、少しでも子どもたちの習い事や学費などの養育費に充ててもらいたいのですが、きちんと愛人に慰謝料を払わせるという術はないのでしょうか。
弁護士の法律相談希望です。
▼ 回答します
弁護士 北川 英佑
慰謝料は不法行為(故意または過失によって他者の権利を侵害する行為:民法第709条)によって被害者が受けた精神的苦痛に対する金銭的賠償であるため、慰謝料を請求するためにはその相手が被害者に対して不法行為を行ったといえることが必要です。婚姻関係にある夫婦は互いに、配偶者に対して自分以外の相手と性的関係を持たないことを要求する権利(貞操権)を持っています。仮に夫が他の女性と性的関係を持った場合、夫は妻の貞操権を侵害するという不法行為を行ったことになります(不貞行為)。この場合妻は夫に対して慰謝料を請求することができますが、相手の女性に対しては、既婚者と知りながら性的関係を持った場合に共同不法行為者(民法第719条)として慰謝料支払義務を負います。他方、相手の女性に対して夫が独身であると偽っていた場合などはその女性に貞操権侵害の故意・過失がないことになるので、共同不法行為者にはあたらないため慰謝料請求は認められないことになります。また、本件とは異なりますが、既婚者と知りながら性的関係を持った場合でも、その時点ですでに夫婦関係が破綻していた場合は結果的に貞操権侵害が認められないため慰謝料請求は認められないことになります(最高裁1996年3月26日判決)。
共同不法行為者の慰謝料支払義務は法律上「不真正連帯債務」となると解されています(最高裁1979年3月30日判決)。つまり、夫が他の女性と不貞行為を行った場合は夫とその女性に対して別々に慰謝料請求をする形ではなく、一定の慰謝料額(たとえば100万円)の範囲で夫に対してもその女性に対しても全額、または一部の金額を請求することができることになります。他方、債務の分担割合については共同不法行為者間で決めることができるので、一人が全額を支払った場合は分担割合を超えた金額につき他の加害者に求償することができます(民法第442条1項)。したがって、被害者側はどの加害者に対しても全額請求することができる一方、加害者の一人が全額支払った場合に他の加害者に対して求償することを禁止することはできません。本件で仮に認められた慰謝料額が100万円であるとすれば、相談者様は愛人の女性に対して100万円全額を請求することも可能です。他方、ご主人と愛人の女性とは100万円の支払義務を分担していることになり、分担割合はご主人と愛人の女性との間で決められることになります。従って、ご主人が愛人の女性の支払うべき慰謝料を肩代わりする意思があるとすれば、慰謝料支払いの分担割合は10:0あるいは100:0のように定める、あるいはご主人から女性に対する求償権を放棄することになります。仮に相談者様が愛人の女性に慰謝料全額を請求した場合に、支払い前あるいは直後にご主人が愛人の女性にその金額の金銭を渡すことは可能です。被害者の慰謝料請求に関する権利として共同不法行為者間の金銭のやりとりを禁止することまでは認められていません。ただし、慰謝料請求はいきなり訴訟を提起して行うわけではなく最初は当事者間の話し合いまたは内容証明郵便による書面での請求を行うことになるので、法律的には強制できない事項についても当事者全員の合意が得られれば可能になる場合はあります。したがって、話し合いでその女性の分担割合をゼロにしない、あるいはご主人から女性に対する求償権を放棄しないことに合意してもらうという方法をとることはできます。その場合、愛人の女性が一定の割合で負担するのであれば訴訟提起はしないなどの譲歩の条件を提示することは必要になるかもしれません。本件では相談者様が慰謝料請求訴訟を提起した場合は慰謝料請求の根拠すなわち愛人の女性が、ご主人が既婚者であることを知っていたことやその上で性的関係を持ったことなどにつき、原告となる相談者様側が立証する必要があります。そのため、極力話し合いで解決することが相談者様にとっても望ましいので、相手方が弁護士を立てている場合も対等に交渉を進められるよう弁護士にご相談頂ければと思います。

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弁護士 北川 英佑
TEL:03-3463-5551

 

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