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ご相談事例
夫のDVに対して傷害罪での刑事手続と離婚手続は同時に可能でしょうか

2023/06/13更新

女性・

・子供無し

・結婚歴1~5年
つい最近まで、主人からのDVを受けていました。私の身体には何か所もあざがあり、1か月前に突き飛ばされたときには骨折をしてしまいました。現在は、逃げるように実家に戻ってきており、別居中です。
私はすぐにでも離婚したいと考えています。普段から性格が暴力的で、私に暴力をふるったあとも、反省の色が見えません。このままだと私以外の人にも暴力を振るってしまうのではと考え、傷害罪で起訴したいと思っています。親や、DVについて相談している友人からも、彼の性格を考えるとそうしたほうが良いと言われています。
DVでの起訴に関して、必要なものは診断書や日々の記録(たとえば、手記やボイスレコーダー、証拠写真が必要とインターネットで検索して知りました)のほかに、何かあるでしょうか。また、離婚に際しての慰謝料請求と、傷害罪での起訴は同時に手続きを行えるものなのでしょうか。
今までこういった経験がないため、何から手を付けていいのか、まったくわかりません。弁護士の法律相談希望です。
▼ 回答します
弁護士 上野 一成
刑事訴訟を提起すること(起訴)は検察官の専権とされています(国家訴追主義・起訴独占主義:刑事訴訟法第247条)。そのため被害者(私人)は、その事件について警察に被害届を出した後被害状況の説明などを行うことはできますが、事件の捜査及び被疑者の勾留・起訴は警察及び検察官がその判断のもとに行うため、被害者が刑事訴訟を提起することはできません。相談者様がご主人を傷害罪で起訴することはできません。犯罪が親告罪である場合は被害者等の告訴権者による告訴(刑事訴訟法第230条)がなければ検察官が被疑者を起訴することができないのですが、傷害罪は非親告罪であるため、被害届を出していれば告訴を行わなくても検察官の判断で被疑者を起訴することができます。従って、本件ではまず警察署の生活安全課に相談した上、警察官の指示に従って被害届を提出して下さい。また、民事訴訟と刑事訴訟とは別個の手続であるため制度上は同一の加害者について刑事手続の進行中もその加害者に対して民事訴訟を提起することは可能です。もっとも、離婚手続の場合は最初から訴訟によって離婚及び慰謝料請求を行うことは法律上認められていないため、前提とされる協議が不可能な場合に離婚を求める家事調停(家事事件手続法第255条1項)を申し立てて相手側の代理人弁護士との間で離婚調停手続を行い、その中で慰謝料請求することになります(調停前置主義:家事事件手続法第257条1項)。家裁の調停委員が双方の主張に基づいて作成した調停案に対して双方が同意すれば調停は成立しますが、ご主人が弁護士を通して離婚を拒否し続けたり、慰謝料その他の協議事項に同意しない場合、あるいはご主人の意見を反映した調停案の内容に対して相談者様が同意できない場合は調停は不成立となります。ご主人が離婚することに同意していて協議事項の一部またはすべてが合意に達しない場合、裁判官の判断により調停に代わる審判手続(家事事件手続法第284条1項)に移行して裁判官が協議事項を定めることになります。調停及び審判では、DVの事実の主張や慰謝料請求を行うにあたって訴訟で求められるほどの厳密な証拠は求められていません(厳密な証拠を提示できなければ離婚や慰謝料が認められない、ということはありません)。調停不成立で審判手続が行われなかった場合や、審判で決定した事項の通知を双方が受領してから2週間以内に当事者が異議を申し立てたために審判が無効になった場合(家事事件手続法第286条5項)は、最終手段として相談者様が離婚の訴え(民法第770条1項)を提起して裁判で離婚請求を行うことになります。裁判では、法定離婚事由(民法第770条1項)及び慰謝料請求のための相手方の不法行為の立証を原告が行う必要があるため、本件ではDVの証拠を提出する必要があります。この場合、診断書や手記・暴力行為の場面の音声、動画、負傷部位の写真などは有力な証拠となります。また、本件では配偶者暴力の被害者として、安全確保や別居後の生活のための支援を受けるために配偶者暴力相談支援センター(DV相談支援センター)に相談に行かれることをお勧めしますが、DV相談支援センターでの被害状況等の相談記録は離婚訴訟でのDVの事実の立証のために必要かつ有力な証拠となります。なお、時期的に傷害罪の刑事手続が離婚訴訟に先行するため、被害届提出時に警察から渡された書類や、傷害罪で起訴されていた場合の刑事裁判での訴訟記録類も有力な証拠となります。
刑事事件の場合、証拠の収集は捜査機関が行うことが原則となります。捜査としては、相談者様やご主人その他の関係者から事情を聴取したり、証拠品を収集したりするなどが考えられます。被害者として捜査機関に対して任意に証拠品を提出することはもちろん可能ですが、証拠品提出は義務ではありません。また、実際にご主人が起訴されて裁判になる場合には、被害者として裁判所で証言を求められる可能性はあります。なお、傷害事件の被害者として裁判に出廷することに関しては、加害者である被告人と顔を合わせたくないこと等の被害者感情に配慮して設けられた被害者参加制度を利用して、証人としてではなく当事者として検察官の隣に着席する形で出廷して意見陳述などを行うことも可能です。この場合、被害者の席の周りは衝立で遮蔽されるので、法廷で被告人と顔を合わせることなく裁判に参加することができます。また、弁護人を同伴することや、被害者自らが出廷せずに弁護人のみに参加してもらうことも可能です。
相談者様におかれましては、まず警察署に被害届を提出した上で、DV相談支援センターに相談に行かれることが必要となります。なお、慰謝料については相手方の刑事弁護人となる弁護士が示談交渉を申し入れてくる可能性が高いため、離婚手続で請求するよりも示談金に慰謝料を含めてもらうほうが早期に支払いを受けることが可能となります。法律事務所では被害届提出・DV相談支援センターへの相談の前後いずれの状況にも対応可能なので、刑事事件への対応及び離婚手続の進め方について弁護士にご相談頂ければと思います。

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弁護士 上野 一成
TEL:03-3463-5551

 

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