ご相談事例
夫のDVが酷いので慰謝料と養育費が取れる別れ方を知りたい

最初は口論が原因で、軽くはたかれてしまう程度だったのですが、最初にされるがままになっていたのがいけなかったのか、夫のDVは日に日にエスカレートしていき、殴ったり足で蹴られたりしています。夫の暴力により、私は身体に不調が出るようになっています。主に身体に暴力を受けているのですが、暑い時期は半袖などから怪我も目立ってしまいますので、着る服にも困っています。何より幼稚園に通う子供が、深夜の物音や夫の怒鳴り声に怯えているため、このままでは子供のためにも良くない状態ですので、離婚を考えています。何とかトラブルがこれ以上発展しない良い別れかたが知りたいです。

子供は私が引き取ろうと考えています。現在の夫からは養育費と、慰謝料を取れる別れかたを知りたいと考えていますので、教えてください。弁護士の法律相談希望です。

その場合、相談者様はご主人と同居したままでは奥様にDVの被害がさらに及ぶ可能性が高いので、お子様を連れて別居してご主人と距離を取られたほうがよいと思われます。相談者様は配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)第1条が定義する「配偶者からの暴力」を受けている被害者として同法に基づく保護や支援を受けることができます。

同法に基づいて配偶者暴力相談支援センターに指定された機関(自治体の女性相談センター等)では、同法第3条3項に基づき被害者とその同居する子供の一時保護、保護シェルター紹介や裁判所による保護命令(DV防止法第10条)についての情報提供、福祉事務所と連携した生活再建支援などを行っています。可能な限り早期にDV相談支援センターに相談に行かれることをお勧めしますが、危険が迫っている場合は相談者様とお子様の身体の安全が最優先事項なので、お子様を連れてセンターで一時保護を求めて下さい。

また、夜間や早朝に暴力行為に遭い危険な状況になった場合は110番通報するか、警察署・交番に駆け込むなどして被害届を出すとともに保護を求めれば、その警察署と連携しているDV相談支援センターの一時保護を受けることができます。暴力行為の程度によっては傷害罪(刑法第204条)で現行犯、あるいは逮捕状逮捕されて被疑者が身柄拘束されるので、その場合は相談者様が被害者として事情聴取を受ける等捜査に協力する必要はありますが、身柄拘束されている間の相談者様とお子様の安全は確保されます。

養育費、慰謝料を取れる別れ方としては、家庭裁判所に離婚を求める家事調停(夫婦関係調整調停：家事事件手続法第255条1項)を申し立てて離婚とともに養育費、慰謝料を請求する旨申立書に記載するとともに調停時に主張するという方法になると考えられます。

調停では夫婦が同室で話し合うのではなく、別の時間帯にそれぞれが調停室で調停委員に対して主張を行い、それをもとに調停委員が調停案を作成します。調停案に双方が同意すれば調停が成立します。養育費や慰謝料その他財産分与、お子様の親権など協議事項が多いことや本件の事情を考えると調停は難航する可能性が高いです。調停が不成立になった場合は家庭裁判所に離婚の訴え(民法第770条1項)を提起して訴訟で離婚及び慰謝料、養育費等を請求することになります。別居後に所在地を知られずに離婚調停申立てや訴訟提起を行う等の安全確保手段をとる他、養育費と慰謝料請求を強制執行可能な対策を練った上で行い請求が認められるよう、弁護士にご相談下頂ければと思います。

ウカイ＆パートナーズ法律事務所は、東京の渋谷駅にある法律事務所です。離婚相談をご希望の場合には、３０分無料相談もございます。離婚に詳しい弁護士が対応致しますので、当事務所宛にご連絡下さればと思います。