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ご相談事例
旦那のドメスティックバイオレンスの相談です

2022/01/28更新

女性・ 30歳代

・子供有り

・結婚歴6~10年
最近、旦那からのドメスティックバイオレンスに怯える30代主婦です。
ごくごく仲の良い普通の夫婦でした。私の出産をきっかけに夫婦中がギクシャクしました。それまでは、色々な事に気をかけてくれたりと優しい人でした。出産後、なかなか色々な事に手が回らなくなりました。そうしていくうちにあっという間に数ヶ月が過ぎていったのです。実は、家事や掃除もロクにしてこなかったんです。そんななか、ふと気がついたことがあったのです。旦那のことを信用はしていたのですが、最近行動がおかしな点がチラホラあったのです。そのことを思いつつ、ついついスマホを覗いてしまいました。数分後、女性と怪しいやりとりをしているのを見つけてしまいました。そして、スマホを覗いているのをその場で見つかってしまいました。旦那は怒りに狂って私を子供の前で殴ったり、蹴ったり暴力をふるってきました。そこからが日々の些細なことでのドメスティックバイオレンスの始まりだったのです。小さい子供がいますし、このままでは子供に対する暴力や心が壊れてしまわないかと不安に思います。正直、こんなドメスティックバイオレンスをする旦那とは離婚したいと考えています。離婚するにあたって、証拠や証明はどういう形で残しておけば有利なのでしょうか。弁護士の法律相談希望です。
▼ 回答します
弁護士 上野 一成
本件のようなDV事件の場合は協議離婚はほぼ不可能なので、まず調停(家事事件手続法第255条1項)を申し立てることになります(なお、相手方が仮に離婚を頑なに拒否していたとしても法律上いきなり訴訟を起こすことは認められていません。)DVの証拠は家庭裁判所に調停を申し立てる時に提出することができますが、調停の段階ではこれがなければ離婚が認められないというものではありません。DVがあったことを立証することが可能な程度の証拠を提出する必要があるのは、調停が成立しなかった時に裁判で離婚請求をする場合です。法律上、裁判で離婚が認められるためには民法第770条1項1号~5号が定める法定離婚事由のいずれかを立証することが必要で、DVによる離婚の場合は同条1項5号の「婚姻を継続しがたい重大な事由があったこと」を立証することになります。DVを立証するために必要な証拠としては①身体的・精神的傷害に対する医師の診断書②暴力による負傷部位の画像③暴力を受けている状況を録音した音声や撮影した動画④暴力がいつどこでどのようにして行われたかを記した日記⑤配偶者暴力支援センター(DVセンター)や警察等への相談内容等です。
①の診断書は、これだけでは傷害とDVとの因果関係を証明することはできないので②の画像や③の実際に暴力を受けているときの音声や映像の最低どちらかを得られていれば有力な証拠となると考えられます。②についてはその画像が「本人のものである」ことがわかるように本人と識別できる程度に顔を撮影範囲に入れるようにして下さい。④の日記や手帳に記載した事実や記録は、証拠としては認められますが単独では客観性に欠けるため、①②③⑤とあわせて提出することをお勧めします。⑤の警察署/交番やDVセンターは、DVを受けたことを相談すると相談記録を残してくれます。この相談記録は離婚事由の立証の証拠となるほか、裁判所がDV加害配偶者に対して被害者の監視や暴力・嫌がらせなどの一定の行為を禁止する「保護命令」(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律[DV保護法]第10条)の発令を申し立てる際にも証拠として必要となります。
DVを立証できれば離婚原因として認められるほか離婚の際の慰謝料も請求できる可能性があります。DV事件の場合、DV被害者の方が加害者の方と離婚交渉をすることは難しいので、弁護士に依頼することをお薦めします。

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