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ご相談事例
私の連れ子に対する夫の暴力、どう対処すべきですか

2022/11/30更新

女性・ 40歳代

・子供有り

・結婚歴1~5年
私は40代の母親です。現在15歳になる娘と暮らしています。
私は結婚で苦しい思いばかりしています。2度の結婚とも失敗しています。娘は前の主人との間の子で、二度目の主人とは血縁関係はなく、養子縁組もしていません。ちなみに二度目の主人は初婚です。主人との間には子供がありません。たまたま休日に私一人が買い物へ行ったときのことです。主人と娘を残して出かけました。この日は娘も「一緒に行く」と言っていたのですが、私は一人で出かけたのです。今思えばこれは娘のSOSだったのでしょう。予定よりも早く帰れたことがきっかけで事件は発覚しました。主人が娘に性的DVをしていたのです。すかさず私と娘は家を出ました。現在は主人とは離婚調停中です。
このことを調停で話して良いのか迷っています。娘の立場上の問題もありますし、娘も肉体的にも精神的にも傷ついています。確かにDVの法的措置を取ることも可能でしょうが、相手は未成年ですし、娘の未来にも関わってきます。このような場合、DVの被害届を出して法的措置を執行したほうが良いのでしょうか。弁護士の法律相談希望です。
▼ 回答します
弁護士 上野 一成
ご主人の行為は、児童虐待防止法第2条2項に該当する児童虐待行為及び刑法の強制わいせつ罪(刑法第176条)または強制性交等の罪(刑法第177条)に該当する犯罪行為です。なお、DV防止法は適用対象を配偶者[内縁関係及び暴力が原因で離婚した場合を含む]による暴力行為に限定しているため、本件ではご主人が相談者様に対して暴力行為を行った事実がない限りDV防止法は適用されません。手続的には、福祉事務所または児童相談所に通報して必要な保護措置を受けることや、犯罪の被害届を出して警察に検挙を依頼することが可能です。なお、刑法上の性犯罪は親告罪ではなくなったので、検察官が被疑者の起訴(有罪判決を下すための条件)を行う上で、証拠提出を必要とする告訴は必要ではありません。
ただし、未成年の女性に対する性犯罪事件であることを考えると、現在の司法制度では被害者が公判廷などの他人の目にさらされる心配は以前に比べてかなり少なくなっているとしても被害届提出には慎重になった方がよいことは確かです。また、本件では相談者様が娘さんを引き続き監護可能であることから、必ずしも児童虐待防止法上の保護を求める必要はないとも考えられます。離婚調停の場においても、娘さんに対する性的虐待について話すことなく離婚の合意を得ることができるのであれば、娘さんのことも考えると主張しない方が良いかもしれません。調停での協議事項で争いが生じる可能性があるものがあるかを検討すると、ご主人が娘さんと養子縁組をしていない限り娘さんとの法律上の親子関係がないため、親権は争う余地なく相談者様に定められます。監護権についても同様です。またご主人に面会交流権(民法第766条)を認めないことについても問題は生じないと考えられます。財産分与(民法第768条)については法律上、請求された相手方は離婚自体を拒否していない限り拒否できないため割合のみが問題となります。また、本来は相談者様が親権を有する娘さんに対する虐待・犯罪行為が行われたため慰謝料請求(民法第710条)は可能ですが、調停で慰謝料請求する場合は証拠は求められないもののその根拠について調停委員に話す必要が生じるため、娘さんと相談の上請求するか否かを決めて下さい。協議事項全てに双方が同意すれば調停が成立するので、お住いの市区町村または相談者様の本籍地の市区町村の役所で離婚届を出せば離婚が成立します。
ただし調停が不成立の場合訴訟(民法第770条1項)で離婚請求することになること、さらに個別の事情によって児童虐待防止法の保護・支援措置を受ける必要が生じる可能性もあるかと思われます。正式に弁護士を代理人に選任していない状態でも、本件で訴訟になった場合の請求内容や法的離婚事由の立証方法、娘さんに関しての支援の受け方などについて法律事務所で無料相談を受けることが可能です。

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弁護士 上野 一成
TEL:03-3463-5551

 

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