離婚調停を申し立ててから成立するまでの期間と言うものは、長期間に及ぶことから、その期間中に相手が財産を処分したり隠蔽したりすることもあるのです。それらを防ぐ方法として、調停前の仮の処分が存在します。調停前の仮の処分は、調停委員会によって、離婚調停申し立て後から終了するまでの期間、調停に必要であると認めた処分を命ずるのです。
家庭裁判所における職権事項である調停前の仮の処分は、調停委員会が独自の判断で行うものであり、申立人が必要とする場合に調停前の仮の処分申立書を提出することで、職権発動を働きかけることが出来るのです。
調停前の仮の処分は、執行力に乏しいこともあって利用される機会は早々多くないのが現状です。調停前の仮の処分を受けた者が、この処分に正当な理由も無いのに従わなかった場合には、10万円以下の過料に処せられます。