「親権喪失の申立」とは、離婚後、親権を持った親が子供に対して、肉体的・精神的虐待や育児放棄、またはその親権を楯に子供の利益を害している場合、また親権の行使が今後も困難であるとされた場合においてできる、申立のことです。
この申立を行えるのは、子供本人や親戚、未成年後見人、また児童相談所の関係者、などになります。
申立先は、子供の住所地を管轄する家庭裁判所で、その際には相手方が親権を喪失しうるに値すると思われる証拠(虐待や育児放棄が認められる資料)が必要になります。
しかし近年の民法改正により、「親権停止」という制度が新たに設けられ、これが従来の「親権喪失」にとって代わろうとしています。「親権喪失」は期限を定めずに親権を剥奪する=親子関係を永遠に断ち切る恐れがある、といったかなり厳しい側面のある制度であった為、「親権停止の申立」という、あらかじめ期間を決めた上で一時的に親権を制限するための制度が、今後は広く普及していくものと期待されています。